気晴らしのススメ

男60歳が、書くことで気晴らしと記録を。そして読んでくださる方のささやかな気晴らしにもなればと。

気晴らしをするということ

sinsingです。

かつて、心が苦しいとき、山村修の「気晴らしの発見」という本をよく読んだ。この冬も、わき上がる煩悶・懊悩から逃れるためお世話になった。どうやら自分にとってこの本はひとつの避難所であるようだ。

著者の山村氏は有名大学の図書館司書。そして昇進と同時に不眠と早朝覚醒に悩まされるようになる。

不眠に悩まされているなか、ひょんなタイミングで彼は青空を見あげた。そのときの一文を紹介しよう。

「青空や流れる雲や高い木々の梢を見ていると、何か透明なもので体の内が洗われるような気がする。熱が溶ける。気を晴らすことによって、体をたとえ片時でも憩わせること。その気分を日常的に意識的に作り出すこと。」

これをきっかけに不眠解決のため、彼なりの「気晴らしプログラム」を始めたのだ。たとえば尾形いっせいのビデオをひたすら見続けるビデオマラソン(へとへとになるほどにハードな気晴らしになった)、呼吸の実験(紛失した息を取り戻した)、謡いによる発声、朝に太陽を見ること、など。そして徐々に不眠から抜け出していく…。

 

いま、気晴らしが必要な人は多い(に違いない)。仕事に疲れ、人間に疲れ、家庭に疲れ、子育てに疲れ、はたまた自分の無用感に疲れ……。辛く淀んだ時間が果てしなく過ぎていく。何よりやっかいなことは、その問題そのものを解決することはとても難しいということ(おうおうに端から見れば簡単そうにみえる。だが本人にとってはどうしようもなくなっている)。

だから、それぞれが、それぞれの気晴らしを見つけるしかない。それぞれがそれぞれの気晴らしを見つけよう。

淀んだ時間から逃れるため、緩んだ時間を過ごそう。

この気晴らしの項目については今後も書き足していきたいと思います。

みなさんの気晴らしは何でしょう……。